令和3年度議事録
嚥下造影検査に使用する造影剤について
申請番号 | 03-25 | |
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申請者 | 小児科 | 上野 知香 |
課題 | 嚥下造影検査に使用する造影剤について | |
【概要】 重症心身障害児(者)(以下、重症児・者)は重度の知的障害と重度の運動障害が重複し、様々な要因を発生原因とする。主に神経障害を基礎として病態的に多岐にわたる臓器の合併症を有し、摂食嚥下障害を有することが多く、脳性麻痺の場合、6-7割がむせのない誤嚥を認めると言われている。また、重症児・者では加齢に伴う機能退行が起こりやすく、摂食嚥下機能の低下は健常高齢者においても見られるが、重症児・者では、より早期から見られることが問題とされる。当院に入所中の重症児・者で食事を経口摂取する者は、主疾患は脳性麻痺の方が多く、また近年、加齢による機能低下が顕著になってきたと言語聴覚士や現場の看護師より声が上がっており、客観的評価を望む声が増えている。 嚥下障害の標準的検査として嚥下造影検査(Videofluoroscopic examination of swallowing:以下、VF検査)が広く用いられ、これにより誤嚥の確認、不顕性誤嚥の発見、適切な食物形態・体位・代償法の決定など、治療に直結する具体的な所見を得ることができる。VF検査で使用する造影剤は、安価で手に入りやすいバリウムが使用されることが多く、これまで当院でも使用してきたが、誤嚥した際に長期的に肺野に貯留し、線維化、間質の肥厚、石灰化を起こすことが報告されている。一方、低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤は血管造影検査や尿路造影検査に使用される薬剤だが、比較的肺毒性が低いことが報告されており、全国で定期的にVF検査を実施する施設の45%でバリウムではなくヨード系造影剤が使用されており、そのうち低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤の使用が多かった。 現在、本邦において低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤はVF検査には保険適応外となっているが、当院の重症児・者の嚥下機能評価としてVF検査を積極的に行っていく上で、誤嚥の高リスク者を対象にしていることを鑑み、より安全に検査施行するため低浸透圧性非イオン性ヨード系造影剤の使用を開始したいと考えている。倫理委員会内で審議をお願いしたい。 |
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判定 | 承認 |
日本人の軽症および中等症COPDに対する1日1回吸入型トリプル療法の有用性及び安全性の研究(TRACK study)
申請番号 | 03-24 | |
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申請者 | 呼吸器内科 | 田中 将英 |
課題 | 日本人の軽症および中等症COPDに対する1日1回吸入型トリプル療法の有用性及び安全性の研究(TRACK study) | |
【概要】 日本のCOPDガイドラインは、喘息様病態を有さないCOPD患者に対しては、その重症度を加味して、LAMAやLABAの単独療法あるいはLAMA/LABAの併用療法を推奨している。しかし、COPD患者に対するICSを含むトリプル療法の適応は限定的である。そのため、喘息病態を持たない未治療患者や単剤療法(LAMAやLABA)で治療されている軽度から中等症のCOPD患者に対するトリプル療法の有用性や安全性はエビデンスが乏しい。 TRACK研究の目的は、以下の2点である。 1)軽症から中等症慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺機能と健康関連QOLに対するトリプル療法の有用性および安全性を、LAMA/LABA併用療法と比較して検討すること。 2)軽症から中等症COPD患者に対するトリプル療法の有効者と非有効者を予測できるベースラインの患者背景とバイオマーカーを特定すること。 |
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判定 | 承認 |
COVID-19ワクチン副反応調査
申請番号 | 03-23 | |
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申請者 | 看護部長室 | 古瀬 法子 |
課題 | COVID-19ワクチン副反応調査 | |
【概要】 COVID-19ワクチンには重篤なアナフィキラシー反応から、発熱、倦怠感などの比較的軽度の症状まで一定程度の副反応の出現が知られている。勤労者では、たとえ軽度の副反応であっても勤務に支障が出る可能性があり、接種を受ける者の健康状態を把握することは管理者、特に病院管理にとって重要である。現時点で、新たなSARS-COV-2bariantの海外での流行が拡大しつつあり、日本国内では3回目のワクチン接種が急がれている。将来的には4回目、5回目の接種が必要になる可能性も十分に考えられることから、3回目までのCOVID-19ワクチンの副反応の種類、頻度、出現時期、出現期間等を精査し、3回目までのCOVID-19ワクチンの副反応の種類、頻度、出現時期、出現期間等を精査し、今後のワクチン接種のあり方について検討することが本研究の目的である。 本研究は、3回のCOVID-19ワクチン接種を受けた東佐賀病院職員に対する任意、無記名のアンケート調査である。 |
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判定 | 承認 |
新型コロナウイルス感染症患者受け入れに関連した看護応援体制に伴う看護師の思い ~応援勤務体験で得たもの~
申請番号 | 03-22 | |
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申請者 | 3病棟 | 小川 綾 |
課題 | 新型コロナウイルス感染症患者受け入れに関連した看護応援体制に伴う看護師の思い ~応援勤務体験で得たもの~ | |
【概要】 当院が佐賀県東部地区の新型コロナウイルス感染症指定医療機関である。コロナウイルス感染症の流行に伴い、入院患者数に応じフェーズ化し、フェーズに応じた診療体制をとっている。コロナ病床が増強されると一時的に病棟編成や看護体制を変更し、収束傾向へ向かうと病床数を減らし通常の体制へ戻す。このように短期間で何度も病棟編成や看護体制が変更され、また今回は当院では今まであまり実施されていなかった応援体制をとることで職員に疲弊する様子が見られていた。しかし、そのような状況の中でも、職員は他病棟で役に立ちたい・学びたいという思いで応援に行く様子も見られていた。 当院では、これまで応援体制がとられていなかったため、職員が実際にどのような思いを抱え他病棟での勤務に臨んでいたのか、また、短期間で他病棟に慣れるための工夫や応援勤務体験から得たものを知りたいと考えた。 |
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判定 | 承認 |
虐待防止の職員セルフチェックリスト集計結果からみる重症心身障害児(者)への対応についての現状調査
申請番号 | 03-21 | |
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申請者 | 11病棟 | 山口 有香 |
課題 | 虐待防止の職員セルフチェックリスト集計結果からみる重症心身障害児(者)への対応についての現状調査 | |
【概要】 2011年「障害者虐待防止法」が公布され、障害者に対する虐待の禁止、障害者虐待の予防及び早期発見その他の障害者虐待の防止等に関する国等の責務等が規定された。2012年に「障害者総合支援法」に改正され、「障害者および障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活または社会生活を営む」ことを目的としている。障害者に対する偏見や差別をなくし、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指す一方、5年前に障害者施設「津久井やまゆり園」の元職員による45人殺傷事件が起きた。現在も社会的弱者に対する事件が後を絶たない。 A病院では「障害者虐待防止対策規程」が作成され、障害のある人たちの人間としての尊厳が守られ、豊かな人生を自己実現できるように支援するための規範となっている。 B病棟でも重症心身障害児(者)の看護にあたっており「障害者虐待防止対策規程」のもと、患者の安全・安楽を第一に日々の職務を遂行しているが、様々な重症度の患者が混在しているため多忙であることや、患者に大きな変化があまりないことによる職務の慣れ、患者の入退院が少ないため馴れ合いになっていること、患者が思いを表出できないことによる看護師主体のケア等、いつの間にか患者に不利益が生じるような援助を行うことがないとも限らない。 障害者虐待について学ぶ機会があり、患者の介助中に支援者同士で私語を交わしたり、くん・ちゃん・あだ名で呼んだりすることが虐待にあたることを知り、自分の言動を振り返る機会となるとともに、他職員の患者への対応にも目を向けるようになった。しかし、これまでに構築された患者との関係性や患者への思いにより、今まで通りに対応してしまうことがしばしばみられるのが現状である。 今年度、サービス委員のメンバーとなり、虐待を未然に防止する取り組みとしてB病棟で行った虐待防止のセルフチェックリストを集計した結果、「他の職員のサービス提供や患者への対応について問題があると感じることがある」と回答した職員が半数近くを占めていたことが引っかかった。この状況をどうにかしなければならないと思い、職員がどういう思いを持って患者と接しているのか、どういう接し方に問題があると感じるのかアンケートを活用して調査し、病棟の課題を明らかにしたいと考える。 |
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判定 | 承認 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)におけるLAMP法の検討について
申請番号 | 03-20 | |
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申請者 | 検査科 | 金内 弘志 |
課題 | 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)におけるLAMP法の検討について | |
【概要】 新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)の第一波(2020年3月から5月頃)においては、COVID-19の診断は専ら行政が行うPCR検査に委ねられていたが、医療現場では院内感染対策の必要もあり、検査体制の構築が急務であった。当院においてはCOVID-19の診断のためSARS-CoV-2抗原定量検査(ルミパルスG1200:ルミパルスSARS-CoV-2Ag)を導入したが、本検査法は疾患発症時期、検体採取時期、検体の種類、検体処理方法や手技などにより、判定を保留せざるを得ない検体があることが問題であった。そこで当院では、そのような検体に対し、SARS-CoV-2核酸検出法(Loop-mediated isothermal amplifictaion:以下LAMP法)を用い最終判定を行う二段構えの検査体制を構築した。 本研究の目的は、当院で構築した二段構えの検査法の性能を評価することである。加えて、LAMP法のSARS-CoV-2核酸検出感度を研究し、通常LAMP法においては困難とされる核酸定量の可能性について検討することである。 |
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判定 | 承認 |
在宅酸素導入となった高齢患者へのHOT導入受容やセルフマネジメント能力獲得に向けた支援の取り組み
申請番号 | 03-19 | |
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申請者 | 2病棟 | 古賀 しほり |
課題 | 在宅酸素導入となった高齢患者へのHOT導入受容やセルフマネジメント能力獲得に向けた支援の取り組み | |
【概要】 在宅酸素療法(HOT)は、慢性呼吸不全患者のQOLの改善を目標とした医療であるが、高齢者の慢性呼吸不全患者の高いQOLを維持するためには、日常生活全般にわたるきめ細かい指導を継続して行う必要がある。指導を行う際には多職種医療チームにより実施する事が望ましいが、患者教育の主要な部分は医師と看護師により実施される。HOT指導のポイントは、セルフマネジメントを強化し、出来るだけ自分の病気は自分で管理するように指導する事であると文献で述べられている。まずは動機づけをしっかりと行い、急性増悪の兆候を早期に発見できるなどセルフマネジメントの能力を高め、また、バンデューラの社会的認知理論の自己効力感を高める自己の成功体験を活用して行動変容へと繋げることが必要となる。 今回、初めてHOT導入することになったA氏は、5月に新型コロナ肺炎に罹患し当院へ入院、その後症状が重症化したため他院へ転院となり、症状改善後リハビリ目的にて当院に転院される。入院前の患者の生活状況を確認すると、外出する事はほとんどなく、自宅での生活が中心であるという事だった。娘と2人暮らしであるが日中は一人で過ごすことが多い為、家の中の生活に焦点をあて、安全にHOTを使用できるように指導していく必要があると考えた。 HOT導入に対する医師の説明にA氏は意欲的であったが、適切に使用できるかという不安もあった。また視力低下もみられ、HOT日誌の文字が見えず記入できないという状況であった。HOT日誌の活用はA氏自身が症状の変化に気づき、早期発見・早期受診につながるためにも重要である。そこで既存のHOT日誌をA氏が使用しやすいように変更し、1つ1つA氏の思いや退院後の生活状況を確認しながら援助を行った。また在宅酸素療法知識確認クイズを活用し、状況に応じた対応ができるかを確認した。結果HOTに対する拒否的な発言なくHOT導入指導に対し積極的に取り組み退院となった。今回受け持ち看護師としての私の関わりが患者のHOT導入受容やセルフマネジメント能力の獲得にどのような影響を与えたのか振り返り、今後の看護に活用したいと考え、本研究の動機に至った。 |
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判定 | 承認 |
人工呼吸器装着の重症心身障害者に対するポジショニングの効果
申請番号 | 03-18 | |
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申請者 | 12病棟 | 埋金 遼 |
課題 | 人工呼吸器装着の重症心身障害者に対するポジショニングの効果 | |
【概要】 重症心身障害児(者)、以下重症児者は排痰力が弱く、呼吸器合併症が重症化しやすい。その背景は多様で、かつ複合的である。 重症児者の呼吸障害の病的特徴として、上気道狭窄や超早期から発生する側湾、胸部変形による拘束性換気障害、下側肺障害の併発などがあげられる。また、それらの障害が重複し、複雑に絡み合い、多くの重症児者の死亡原因となっている。そのため姿勢や変形、年齢的変化などを考慮した予防的対応が重要である。さらに重症児者の呼吸障害の悪化予防、上気道閉塞の治療、胸郭呼吸運動の治療など呼吸障害の病態に合わせたアプローチが必要である。先行研究でもポジショニングについての報告は多数あり、全身的な日常姿勢管理(ポジショニング)の有効性が報告されている。 今回対象となる患者は人工呼吸器装着で生活をしている。日中(9時から16時)酸素2L吸入でウイニングしている。しかし、患者の体調や、日課や行事の影響で毎日同じ時間にウイニングを行えない状況にある。患者の普段のSPO2は95~99%であるが、時折低下し、安定していない。ETCO2は高値傾向である。ETCO2は主に換気が行えているかどうかを評価するものである。ETCO2が高値傾向であるということは、十分な換気が行われず、二酸化炭素生産量が増加しているということである。また、二時間毎の体位変換による体位ドレナージや1日1回のカフアシストも行っている。カフアシストを行い排痰を促しているが、1年に1~2度呼吸器感染症を起こしている。 患者は疾患として左肺萎縮があり、左肺の2/3以上が機能しておらず、右肺のみで換気が行われている状況である。また、身体的特徴として心臓圧迫、右肺には側湾があり、脊椎変形から横隔膜が圧迫されている。疾患と身体的特徴から現在十分な換気が行えていないのではないかと考えた。そこで、患者にとって効果的に換気が行える体位について検討し、呼吸状態の維持・改善を目指す。 |
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判定 | 承認 |
筋緊張のある重症心身障害児(者)に対する療育の効果
申請番号 | 03-17 | |
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申請者 | 11病棟 | 馬場 真琴 |
課題 | 筋緊張のある重症心身障害児(者)に対する療育の効果 | |
【概要】 重症児の病態を考えるうえで重要な症状の一つが筋緊張亢進である。錐体路障害による痙縮、錐体外路障害による個縮に整理されている。筋緊張が亢進すると、交感神経が優位になり血圧や心拍数が上昇する。また下顎や舌根の後退による咽頭狭窄、気道狭窄の悪化などをきたし、緊張により胸郭の動きが制限されSPO2の低下に繋がる。 今回対象となる50代のA氏は脳性麻痺であり、意思疎通が困難である。覚醒している午前中に筋緊張が増強し、薬剤調整を行っているが、緊張の緩和は見られなかった。また、夜間にも筋緊張で覚醒し睡眠不足となり1日の生活リズムが乱れやすくなっている。前年度は臨時でエスクレ座薬を5回使用していたが、今年度の4~6月の間ですでに17回臨時でのエスクレ座薬を使用した。座薬使用する頻度が増えると過鎮静に繋がり、日中に午睡することが多く見られている。 筋緊張の要因として錐体路障害のほかに、精神面の筋緊張も要因の一つであると言われている。A氏にとって感情が伝わらない、ニーズが十分に満たされていない、寂しいなど精神面が関わって筋緊張が出現しているのではないかと考えた。A氏の近くを通ると追視したり体動が増え、筋緊張が見られるなど自分に興味を示して欲しいと考えられる動作がある。また、スタッフ、家族の声掛けに涙を流すこともあった。A氏は歌が好きで、以前スタッフとともにカラオケをしたり、歌を聞いたりして笑顔で過ごされていた。現在は1日のほとんどを病室で過ごし、視界の変化がなく、刺激が少ない。また後見人の高齢化であることや、コロナ禍であり面会が制限されていることから、A氏は寂しい想いをしていると予測される。 先行研究では集団療育活動に積極的に参加し、呼名や身体接触に対し心拍数の減少や表情の変化が見られていると報告されている。また、日中の覚醒時間が確保され、刺激を受けて睡眠に良い循環をもたらし、生活リズムが作りやすい環境であると報告されている。先行研究の結果から気分転換を図ることで筋緊張が緩和できるのではないかと考える。 |
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判定 | 承認 |
COVID-19の状況下で面会制限のある重症心身障害児病棟における家族との関わり~患者と家族が目の生活により近い関わりが出来るための取り組み~
申請番号 | 03-16 | |
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申請者 | 12病棟 | 中山 菜彩 |
課題 | COVID-19の状況下で面会制限のある重症心身障害児病棟における家族との関わり ~患者と家族が目の生活により近い関わりが出来るための取り組み~ |
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【概要】 2019年、新型コロナウイルスの流行が原因で患者への感染リスクを考え家族の面会制限が開始となった。重症心身障害児病棟でも令和2年2月27日から面会制限が開始となり現在で(令和3年6月)1年4か月が経過した。患者は小児(8歳)であり、成長発達段階である。知的障害の程度がIQ20以下で寝たきりであることから、大島の分類では1であり知的感覚は乳幼児の段階であると考えられる。乳幼児期は基本的信頼や自立性を育てる時期であるが、愛情を与えないと基本的信頼が獲得できず、不信感を抱いてしまう。そのため、患者には家族との関係性が大切な時期であると考える。面会制限前は週に1回以上面会に来られていた家族(母親・父親・祖父・祖母)も面会制限後、患者に会えない状態が続いている。面会が10分間できる期間に母親・父親・祖父が面会に来られたことがあり、タッチングや爪切り、声をかけて患者とコミュニケーションを取られる姿が見られていた。しかし、コロナ禍で家族と面会できず愛着形成が止まっている。面会制限が続き新型コロナの見通しが立たない中、病院側も院内感染防止と患者や家族の精神的なケアの両立が問題になっている。そのことから現在の面会制限の状況下で患者が家族との関係性を大切に、また愛着形成ができるようにCOVID-19の状況下でも患者と家族が関わりを持てる取り組みを行い、その効果を明らかにしたいと考えた。 |
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判定 | 承認 |
レビー小体型認知症患者の認知機能変動に着目した看護援助の効果
申請番号 | 03-15 | |
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申請者 | 2病棟 | 釣屋 綾佳 |
課題 | レビー小体型認知症患者の認知機能変動に着目した看護援助の効果 | |
【概要】 転倒を繰り返すA氏はレビー小体認知症患者である。今回も転倒による骨折で入院となったが、レビー小体型認知症患者の中核的特徴である認知機能変動が大きく関わっている可能性がある。しかし、レビー小体型認知症の認知機能変動は予測が難しいと言われている。そこで今回は、加藤らが示した「ケア従事者が日々の生活の中で認知機能変動をケアするための4つの観察項目」をもとに、A氏はいつ・どのような認知機能変動が起きているか明確にし、関わり・ケアを立案・実践していく。また、家族や施設職員にA氏の生活史や趣味を伺い、A氏からは得られない、以前A氏がどのような人生を歩んできたかや、どのような事に興味があるかなども把握し、関わり・ケアの中に用いていく。これらの個別性のある関わり・ケアを立案・実践することがA氏にとって穏やかに、安楽な生活を送るための援助に繋がったのか、振り返り研究としてまとめていきたいと考える。 |
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判定 | 承認 |
自我の発達による食事時の易刺激性を軽減するための食事環境の工夫~福山型筋ジストロフィーの幼児が楽しい食事時間を過ごすために~
申請番号 | 03-14 | |
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申請者 | 13病棟 | 谷 真美 |
課題 | 自我の発達による食事時の易刺激性を軽減するための食事環境の工夫 ~福山型筋ジストロフィーの幼児が楽しい食事時間を過ごすために~ |
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【概要】 子どもにとって、食べることは健全な成長、発達に必要な栄養の摂取として必要であるが、情緒の成長、安定性を身に付け発達を促す場である。 A氏は在胎36週、帝王切開にて出生、双胎第一子である。その後NICUに1か月入院、福山型筋ジストロフィーと診断される。生活動作介助必要、睡眠安定せず生活に支障が出ており、母は育児への不安があり、2歳3か月当院に入院される。4歳3か月現在自力での起き上がり、座位は可能、移乗は車椅子。食事摂取状況として入院時(2歳3か月)は経腸栄養剤を哺乳瓶で口腔から摂取していた。2歳8か月から、1日3食ミキサー食を経口摂取開始、現在は昼に5ミリ角の野菜や果物が1品追加、15時におやつも摂取されている。スプーンを持って自力摂取可能でるが途中でスプーンを持ったまま口に運ばなくなり、一部介助にて摂取されている。 A氏は食事開始時はデイルームで他の患者と一緒に食事を摂取されていた。介助するスタッフに大声を上げ食器を投げるようになった。A氏は自我が芽生え、好きなスタッフがそばを離れる、視界に入り見えなくなると、啼泣するなど、分離不安が要因であると考えた。そのため食事に集中できるよう食事は自室で行うよう変更したが、食事中に眠ってしまう、啼泣で食事が進まず食事量にムラが出てくるようになった。このことから現在のA氏にとって、食事の時間は不快な時間になっているのではないかと感じた。一方で、様々なことに興味があり飽きずに行うことができ、集中することができる。その強みを生かし、環境や声掛けを工夫し働きかけることで、不快な時間を減らし、食事の時間を楽しく過ごすことができるのではないかと考える。 厚生労働省の食育のあり方に関する検討会報告書では、「楽しく食べることは、生活の質(QOL)の向上に繋がるものであり、身体的、精神的、社会的健康に繋がるものです。また、子どもにおいて食事の楽しさは、食生活全体の良好な状態を示す指標の一つと考えられる」と述べられている。食事を楽しい時間となるよう援助することで安心感や満足感が得られ、食事中の易刺激性が軽減するのではないかと考える。福山型筋ジストロフィーは一般的に中枢神経系の発達に伴い5~6歳頃が運動発達のピークを認め、以後は筋萎縮進行に伴い退行するといわれている。そのため食事摂取がいつまで行えるか分からず、限られた時間をできるたけ楽しい時間にすることで、安心感や満足感が得られ食事中の易刺激性を軽減することに繋がると考える。 |
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判定 | 承認 |
重症心身障害者の精神的安定にむけたタッピングタッチの効果
申請番号 | 03-13 | |
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申請者 | 13病棟 | 田﨑 愛理 |
課題 | 重症心身障害者の精神的安定にむけたタッピングタッチの効果 | |
【概要】 重症心身障害者は重度の精神発達遅滞、運動障害を併せもち、快、不快、喜怒哀楽、嫉妬、不安などの感情を言葉や行動でうまく表現できず、自分の意図や要求を他者に伝達することが難しい。その中で様々な表現方法で感情や要求を伝えている。患者との関わりの中で、その表現や反応をとらえ、看護を展開していく必要がある。しかし患者の示す反応を理解していなければ、何をどのように援助したらよいか分からず、戸惑ってしまう。患者の反応を理解し、患者と看護師の意思疎通が図られることで、患者に合った看護を提供できるのではないかと考える。 A氏は現在、集団活動や食事摂取以外はベッドで過ごしており、外部からの刺激や他者との関わりが少ない。以前は家族との面会もあり、笑顔で過ごされていた。しかし父親が他界し、後見人である母親も高齢であり、面会の回数が減少し、家族との関わりが減ってしまった。A氏は車椅子移乗時やベッド上に座位になっている際、何らかのきっかけで、精神的不安が生じ、ガタガタと車椅子や柵を揺らす動作がみられ、表情も強ばり、A氏が安楽に過ごすことができない。不安に対し、朝食後と夕食後にリスペリドン、夕食後にベルソムラを服用し、内服コントロールを行っている。 先行文献では、タッピングタッチは不安や緊張感が減る、興奮がおさまる、体の緊張がほぐれる等の効果があると報告されている。A氏がより良く過ごせるよう、今回の研究で車椅子乗車し、デイルームで1時間過ごし、スタッフや他患者と関わり、外部からの刺激を増やす。その際、体幹部を中心に優しく手のひら全体を使ったタッピングタッチを行うことで、ぬくもりや安心感を与え、ストレスや不安を軽減し、精神的安定に繋がり、車椅子を揺らす動作を減少させたい。 |
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判定 | 承認 |
昼夜逆転傾向である重症心身障害児者における睡眠障害の改善について~早朝覚醒を減少し良質な睡眠を目指して~
申請番号 | 03-12 | |
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申請者 | 13病棟 | 三丸 雪 |
課題 | 昼夜逆転傾向である重症心身障害児者における睡眠障害の改善について ~早朝覚醒を減少し良質な睡眠を目指して~ |
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【概要】 睡眠と覚醒にはサーカディアンリズムが大きく関与し、約24時間周期で睡眠、覚醒、体温、ホルモン分泌などの変動が繰り返されている。この生体バランスが崩れると睡眠障害が起こると言われている。 A氏は長期入院で単調な生活を送っており、日中は午睡されていることが多い。病室はナースステーションから離れた奥部屋で人通りはあまり多くない。平日は11~13時、16~18時の4時間のみ車椅子に移乗され、それ以外はベッド上寝たきりで過ごされている。月に2回のグループ療育活動やお誕生日会の日は午後から3時間程車椅子に移乗している。夕食後から入眠し、早朝(2~3時頃)に覚醒されていることが多い。 先行研究では施設内環境が背景となり、あらゆる刺激が少ない状態の患者に対して生活の中で座位を6時間保持することで睡眠障害に対する短期的な介入が得られたと報告されている。 A氏も日中の座位保持時間を延長することで様々な刺激により日中の覚醒が促されサーカディアンリズムを整えることができるのではないかと考え、A氏の睡眠障害の改善を目的とする研究である。また、月に3回程度は苦痛様表情なく1日に5~6時間程車椅子に移乗できているため患者への負担は大きくないと考え実施する。苦痛様表情や皮膚トラブルがみられた場合は車椅子移乗を中止し、ベッド上ギャッジアップへ変更する。 |
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判定 | 承認 |
自閉スペクトラム症患者への絵カードを活用したコミュニケーション支援
申請番号 | 03-11 | |
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申請者 | 13病棟 | 德丸 優 |
課題 | 自閉スペクトラム症患者への絵カードを活用したコミュニケーション支援 | |
【概要】 自閉スペクトラム症患者の多くは話し言葉を持たないか、自分の要求やニーズをはっきりと伝えることが難しく、要求を伝えられないことで強いフラストレーションを引き起こし、問題行動の発生につながる場合が多い。 A氏は言語的コミュニケーションが困難で、スタッフの声かけとA氏の指差しジェスチャーでのコミュニケーションが主である。ジェスチャーではA氏の伝えたいことが十分に理解できず対応が困難なことがある。自分の要求が通らずストレスがかかった時に、スタッフをひっかく、PEGを引っ張る等の行動が認められる。ストレスがかかった時の行動があった時、してはいけないとA氏に説明しても改善がみられないことが多い。つなぎ型の抑制着を使用しているが、抑制着の上からもPEGを触る行動があり、目を離せず常にスタッフが見守り対応する必要がある。 A氏が以前過ごしていた病棟ではコミュニケーションツールとして絵カードを使用していた。しかし、当病棟では絵カードの使用方法が統一されておらず使用することがほとんどなかった。 自閉スペクトラム症患者のコミュニケーションツールとして用いられることが多い絵カードはコミュニケーションの速やかな実現だけではなく、問題行動の改善にもつながることがわかっている。金子は、要求を自傷で表現する患者に対してPECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)の訓練方法を取り入れ、新たなコミュニケーションの獲得を試みた結果、激しい自傷が減り、穏やかに過ごせる日が増加したと報告している。 自閉スペクトラム症患者は自分をコントロールする苦労や、聴覚情報処理についての困難がみられる。一方で、限局された興味と視覚的情報処理の強さを持っている。苦手な「聴覚刺激(言葉かけ)」を最低限に抑えて、得意な「視覚的な強さ」を活かして分かりやすく伝えることが重要である。そこで、PECSの一部である絵カードの使用をA氏との日々のコミュニケーションに取り入れ、視覚的な強みを活かした関わりを行いたいと考えた。絵カードの活用により、スタッフに伝えたいことが分かってもらえるとA氏が理解することで、コミュニケーション場面でのA氏のストレスが軽減され、ストレスがかかった時の行動の減少に繋がるのではと考えた。 研究目的は絵カードの活用により、円滑なコミュニケーションを行うことで、ストレスがかかった時の行動が減少できるか明らかにする。 |
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判定 | 承認 |
重症心身障害児者の慢性便秘症ヨーグルト摂取の効果
申請番号 | 03-10 | |
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申請者 | 11病棟 | 永尾 麻衣 |
課題 | 重症心身障害児者の慢性便秘症ヨーグルト摂取の効果 | |
【概要】 重症心身障害児(者)は中枢神経系や筋緊張の異常、水分、食物繊維の摂取不足、運動不足、自律神経系のアンバランス、また鎮静剤や抗痙攣剤の長期服用により慢性便秘症を認めることが多く緩下剤や浣腸が頻用されている。 今回対象となる患者は長期にわたりツムラ大建中湯エキス顆粒や複数の緩下剤(マグミット錠、アローゼン、ピコスルファートナトリウム)を服用し便秘予防が行われている。2日間便秘の場合はグリセリン浣腸60mlを使用している。 先行研究では、慢性便秘症と診断された重症心身障害児者数名に対し乳酸菌を摂取させた。その結果、患者によって1)自然排便の回数が増加し緩下剤、浣腸が不要になった患者、2)緩下剤、浣腸が減少した患者、3)変化がなかった患者に分かれ、患者によってではあるが乳酸菌を摂取することで便秘症状の改善を認めたとあった。 本研究では今回の対象者にはヨーグルトを摂取してもらうことで便の性状にどのような変化があったのかを明らかにするためにヨーグルト摂取前後でブリストルスケールで便の性状の観察を行い自然排便の回数増加や浣腸、緩下剤の減量が可能か検証する。 |
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判定 | 承認 |
重症心身障害児の食事援助場面における看護師の経験年数によるアセスメント内容の違い
申請番号 | 03-09 | |
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申請者 | 看護部 | 中村 京子 |
課題 | 重症心身障害児の食事援助場面における看護師の経験年数によるアセスメント内容の違い | |
【概要】 重症心身障害児は、口から食べるという機能に障害を有していることが多く、高率に摂食・嚥下障害が存在する。摂食・嚥下障害がある子供の食事援助は個別性が高く、わずかな変化や反応を観察し援助を行う必要があり、看護師の経験年数によりアセスメント内容に違いがあると考える。摂食・嚥下障害がある重症心身障害児の摂食援助場面における摂食・嚥下機能の観察やアセスメント内容を明らかにし、看護師の経験年数による違いを検討する。 |
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判定 | 承認 |
育児短時間勤務・育児時間・深夜勤務制限に対するスタッフの現状把握と活用
申請番号 | 03-08 | |
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申請者 | 看護師長研究会 | 龍 里美 |
課題 | 育児短時間勤務・育児時間・深夜勤務制限に対するスタッフの現状把握と活用 | |
【概要】 働き方改革の推進とともに、国立病院機構においても育児短時間勤務・育児時間・深夜勤務制限など、子育て支援制度を利用した様々なスタイルでの働き方が可能となっている。また、職場の理解と協力のもと、子育てをしながら仕事に復帰する職員も増え、貴重な人材の確保となっている。当院においても、各部署、数名上記制度を利用しているスタッフがいる。制度を利用していないスタッフと、制度利用中のスタッフの看護業務内容の差があり、業務内容の見直しが課題である。また、制度を利用中のスタッフは、キャリアアップへの影響が考えられると共に、制度を利用していないスタッフに対して、心苦しい思いをしていることが予測される。さらに、制度を利用中のスタッフの超過勤務が発生しており、働きやすい環境が提供できていない可能性がある。一方制度を利用していないスタッフは、制度利用中のスタッフに対してフラストレーションが発生している可能性も考えられる。 そこで今回アンケートを実施し、制度を利用しているスタッフと制度を利用していないスタッフの思いを把握し、お互いの理解を深め、働きやすい環境と風土を目指したいと考えた。アンケートを実施することで、対象者について現状の把握を行い、アンケートの結果から1)~5)についての支援や活動を行い働きやすい職場環境を提供できるよう活動する。 1)育児短時間・育児時間・深夜勤務制限が育児と仕事のバランスが取れるように支援する 2)育児短時間・育児時間・深夜勤務制限が定時に帰られるように業務調整する 3)育児短時間・育児時間・深夜勤務制限の業務内容を検討する 4)育児短時間・育児時間・深夜勤務制限以外のスタッフが育児短時間・育児時間・夜勤免除者と共に働くことへの理解ができる 5)制度利用者に対するキャリアアップ支援 |
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判定 | 承認 |
異常音が聞かれた患者の安全な食事を目指して~患者に適したポジショニングと一口量や食事介助のスピードの検討~
申請番号 | 03-07 | |
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申請者 | 13病棟 | 麻生 和美 |
課題 | 異常音が聞かれた患者の安全な食事を目指して ~患者に適したポジショニングと一口量や食事介助のスピードの検討~ |
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【概要】 「食べる」という行為は、生命維持に必要な栄養を取り入れている、味を楽しむ、食事の場面を通じてコミュニケーションを楽しむなど、私たちの生活においてとても大きな意味を持っている。摂食嚥下障害で生じる問題は、医学的なリスクだけではなく、食べる楽しみを失うという生活の質の観点からも重要になる。 ムース職は口腔期障害で咀嚼・食塊形成ができない、咽頭期の嚥下機能低下を認める患者に対し、一塊の形状を保ち、そのまま咽頭を通過するため、咽頭に残りにくく誤嚥を起こしにくいため嚥下障害がある患者に対し適応食と言われている。しかし、咀嚼・嚥下機能が低下し誤嚥を繰り返すようになると、経口からの摂取が困難となり経管栄養法と経過をたどっていく。 昨年、咽頭マイクを用いた頸部聴診法での嚥下音の実態調査の研究結果で、ムース食を摂取している患者に高い嚥下音を聴取した患者がいた。高い嚥下音は誤嚥ではないが、咽頭流入のおそれがある。咽頭流入は食物が咽頭に流れ込むものの、声門より上にとどまり、気管には流入しない状態であるが、将来的に加齢による機能低下もあるため誤嚥のリスクがある。 今回、ムース食を摂取している患者に咽頭マイクを用いて頸部聴診を実施し、嚥下音を調査する。その結果、異常音を聴取した患者に対し、医師、言語聴覚士、摂食嚥下障害看護認定看護師らに協力を得ながら、患者が必要な栄養を補給し、より安全に長い期間口から食事を摂取できる環境や介助方法を検討することが必要と考える。 |
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判定 | 承認 |
重症心身障害児(者)病棟においてPNSを応用した体制を導入して~チームの看護度均一化及び日替わりパートナー制実施のメリット・デメリット~
申請番号 | 03-06 | |
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申請者 | 12病棟 | 樋口 昌宏 |
課題 | 重症心身障害児(者)病棟においてPNSを応用した体制を導入して ~チームの看護度均一化及び日替わりパートナー制実施のメリット・デメリット~ |
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【概要】 Pertnership Nursing System(パートナーシップ・ナーシング・システム「以下PNS」)とは2009年に福井大学医学部附属病院で開発され、看護師2名が1組のペアとなり、双方の受け持ち患者に関する全ての事柄を把握し、情報交換を行いながら二人三脚で看護を進めていくシステムである。これまでの「1人で複数の患者を受け持つ自己完結型の看護から、2人で複数の患者を受け持つ二人三脚」である。これまで多くの病院で導入され、導入の効果は多岐にわたって報告されている。 三輪峯子らはPNSの効果として、「精神的に楽になった」「身体的に楽になった」「インシデントが減った」「スタッフ間のコミュニケーションが増した」「業務が効率化した」「能力開発に繋がっている」「超過勤務が減った」と報告している。福田妙美は「判断に困る場面ですぐに相談できる」「情報を共有して相談しながら看護ができる」と報告している。 しかし、課題として「スタッフ全員が理解し、行動できているとは言えない」「パートナーとうまくいかない」「反対勢力がある」など人間関係に関連した課題も多く報告されている。 A病院は335床を有する地域医療支援病院である。重症心身障害医療においては九州最大規模の165床を有している。 B病棟は、入院基本料7:1重症心身障害病棟で、病床数55床、病床稼働率97%、重症児・者スコア判定の割合は62%を占めている。看護業務は煩雑で、インシデントや超過勤務が多く報告されていた。インシデントの多くは確認不足であり、ダブルチェックや確認を行う環境についての課題が明らかになった。また、患者の特徴から2名で介入を要するケアが多く、ペアを見つけるまでに時間がかかる、声がかけづらい等の声があがっていた。超過勤務については、患者ケアの準備から実施、片付けに加えて看護記録までを一人の看護師で行っており、勤務終了時間までに終了しなかった業務についてうまく移譲ができず、超過勤務に繋がる現状があった。そこで、B病棟でも自己完結型から二人三脚の看護を進めるべく、PNS導入について検討を実施した。令和元年11月より全スタッフを対象にPNSに関する学習会を開始した。学習会を行う中で、「年間のペアは必要か」「人間関係に不安を感じる」等の意見に加え、部署異動が変則的であり、年間パートナーが年度途中に複数名移動する可能性も高く、また、重症心身障害病棟の特殊性からも年間のパートナーは固定せず、日替わりパートナー制(以下:PNS応用と称す)を導入することとした。令和2年3月より、小児科医師への説明を行うと同時に入院患者の家族に説明の連絡を行った。 令和2年3月より、小児科医師への説明を行うと同時に入院患者の家族に説明の連絡を行った。令和2年4月より、重症児・者スコア判定及び、業務量調査の結果から看護度均一化を図るためのベッドコントロール及びチーム編成を行い、PNS応用を導入した。導入後の成果として、インシデントの減少までには至らなかったが、超過勤務の減少に繋げることができた。今回導入したPNS応用について、超過勤務の削減について効果を確認することができたが、それ以外の効果と課題については明らかにすることができていないため、スタッフの反応からPNS応用を導入した効果と今後の課題について明らかにしたい。 |
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判定 | 承認 |
A病棟における医療安全に関する意識調査~患者の安全に繋がる行動を目指して~
申請番号 | 03-05 | |
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申請者 | 11病棟 | 福島 秀起 |
課題 | A病棟における医療安全に関する意識調査 ~患者の安全に繋がる行動を目指して~ |
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【概要】 数ある職業の中で、医療職ほどわずかな間違いでも対象の障害に直結する職業はない。患者に対し、診断・治療上の必要性からリスク・専門性の高い医療行為が行われることがあり、そこに看護師が関わることが他のコ・メディカルよりもはるかに多い。また、看護業務は緊急、多忙な状況、プレッシャーの中で行われており、ヒューマンエラーなどの間違いを誘発しやすい状況となっていると考える。当病棟は重症心身障がい児(者)病棟で、人工呼吸器の装着15名、超重症児(者)16名、準超重症児(者)10名と重症患者の割合が多い。その為、日常生活全般において介助を必要とする患者を日々看護しており、あらゆる場面でリスクが存在している。昨年度のインシデントの発生状況を見てみると、レベル1が30件、レベル2が14件、レベル3aが2件、レベル3bが3件であった。 インシデント発生時には報告書の作成、レベル2以上の事例に関しては、P-mSHELL分析により対策を検討、患者カンファレンスを行い、患者の安全についても意見交換を行っている。意見交換の中でもリスク感性をもった意見が多く出ており、スタッフ全員とは断定できないが、個々のリスク感性は高く、患者の安全に配慮した考えを持っているのではないかと思う場面があった。 しかし、発生したインシデントの共有のための報告書の閲覧、重大インシデント(アクシデント)の発生を防止するための0レベルインシデントの報告は少ない状況である。患者の安全性の向上について、三次らは、「エラーに気づき報告し、分析・検証してエラーを繰り返さないことが重要である」と述べている。より多くの気づきをスタッフ個々が発信し、カンファレンス等で十分協議を行い、共有することが安全な病棟環境となるのではないかと考える。0レベル報告件数は、2018年度が112件、2019年度が61件、2020年度は100件であった。昨年度は取り組みや呼びかけにより一時的に報告件数の増加は見られたが、まだまだ少ない状況である。報告書の閲覧・共有状況、0レベル報告状況を見ても、患者の安全に繋がる行動が不足しているのではないかと考える。スタッフ個々の安全意識を調査し、安全に繋がる行動への課題は何か、考えていきたい。 |
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判定 | 承認 |
心電図モニターアラーム対応の実態調査
申請番号 | 03-04 | |
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申請者 | 3病棟 | 小川 綾 |
課題 | 心電図モニターアラーム対応の実態調査 | |
【概要】 心電図モニター装着中でありながらも、患者の急変に気付かず対応が遅れた医療事故が発生した。当病棟では、混合病棟であり、急性期~終末期の患者の看護、入退院や手術・検査なども多岐にわたり、心電図モニターアラームの対応が遅いことがある。今後、アラームに関する医療事故が発生しないためにも、実際の心電図モニターアラームの対応時間と、病棟業務の内容を調査し一覧にまとめ、病棟の実態を調査する。また、その調査報告を月に1~2回実施することで、看護師の対応時間に変化が見られたり、アラーム対応に関する意識が変化するのかを検討したい。その結果、アラーム対応が遅延することなく、患者の異常の早期発見や適切なモニター管理をすることが出来るようにする。 |
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判定 | 承認 |
COVID-19患者受け入れ病院の看護師のストレス実態調査
申請番号 | 03-03 | |
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申請者 | 1病棟 | 宮﨑 愛 |
課題 | COVID-19患者受け入れ病院の看護師のストレス実態調査 | |
【概要】 A病院は昨年から継続してCOVID-19患者の受入れを実施している現状で、様々なストレスを抱えながら患者を受け入れてきた。看護師のストレスはCOVID-19発生前から議論され先行研究も行われている。その中でA病院に勤務する看護師もCOVID-19患者を受け入れるという状況下で、ストレスが影響しているのではないかと考えた。そこでCOVID-19患者の看護に臨む看護師のストレスの現状と要因を明確にしていきたいという思いから当研究に取り組むことにした。ストレスの現状を明らかにし、それぞれが抱える不安や悩みを共有することで、看護職自身のウェルビーイングが向上し、安心して働ける職場環境を整えることができる。 |
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判定 | 承認 |
行動障がいのある重症心身障がい児の障がい特性を考慮した関わり方の検討
申請番号 | 03-02 | |
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申請者 | 12病棟 | 佐々木 祐治 |
課題 | 行動障がいのある重症心身障がい児の障がい特性を考慮した関わり方の検討 | |
【概要】 1960年代後半より、行動障がいが著しい人たちに対する支援の困難さが訴えられてきた。頻繁な自傷や他害、こだわり行動のために、強度に適応行動障がいを見せる障がい児(者)という意味から強度行動障がいという名称が採用されている。 強度行動障がいに対して共通して有効であると考えられる支援方法として、構造化を図ることで本人に了解しやすい環境整備を行う方法がある(飯田他2004)。 しかし、構造化を重症心身障がい児(者)病棟での関わりに取り入れる上で、患者と一対一で長時間向き合えない、他患者との共同生活であるためいつも同じスケジュール通りにならないなどの時間的な制約や、患者のADL・コミュニケーション能力による制約があるため難しい現状がある。また、同時に複数の事を構造化しようとするとかえって患者を混乱させてしまう事が考えられる。 今回対象となる患者は、いつもと違うことであったり自分の要求が通らない際に拒否や自傷他害行為、強いこだわりが出現することがあり、対処が困難な患者である。また、学童期であり支援学校の授業中にご飯(経管栄養)を要求して授業に集中しないことがあると支援学校側から報告を受けていた。これは自分のご飯の目処が立たない事が戸惑いとなり、行動障がいのきっかけになっていると考えられた。今回は患者との関わりの中から経管栄養注入のケアを取り上げ、毎日同じスケジュールで行うように時間の構造化を図ることで、看護師ごとに関わり方が違う事で発生する患者の戸惑いやストレスの軽減を図り、行動障がいの軽減を目指す。 |
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判定 | 承認 |
看護師への人材育成投資による費用対効果の検討~皮膚・排泄ケア認定看護師、皮膚・排泄ケア特定認定看護師の育成における事例から~
申請番号 | 03-01 | |
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申請者 | 看護部 | 中村 京子 |
課題 | 看護師への人材育成投資による費用対効果の検討 ~皮膚・排泄ケア認定看護師、皮膚・排泄ケア特定認定看護師の育成における事例から~ |
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【概要】 目的:質の高い看護師を育成するために看護師の人材育成に投資することは、所属施設にとって費用対効果があるのかについての検討 意義:看護師の人材育成への投資は、所属施設に経営的利潤を産むことで、良質な医療の提供、および看護の質の維持・向上により地域への貢献と看護師の地位の向上に貢献 標記研究について看護部へアンケート調査依頼 |
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判定 | 承認 |